ANAとドジャースの契約の内容
2024年4月2日にANAより以下のような発表がありました。
- ANAは、ロサンゼルス・ドジャースとパートナシップの複数年契約の合意に至りました。
- ANAは、ロサンゼルス・ドジャースの唯一の「オフィシャルジャパニーズエアラインパートナー」となり、日本・ロサンゼルス間における輸送に協力し、チームをサポートしてまいります。
詳細な内容とプレスリリースについては以下のURLをご覧下さい。
また同様の内容がMLB公式サイトでもアナウンスされています。
この契約で気になる点は?
この契約の中で気になるのは、プレスリリースの中で
「オフィシャルジャパニーズエアラインパートナー」となり、日本・ロサンゼルス間における輸送に協力し、チームをサポートしてまいります。
と書かれているところです。
もちろん、ドジャースタジアムやスプリング・トレーニング施設での広告等も含まれると思いますが、「日本・ロサンゼルス間における輸送」と書かれています。
つまりは、ドジャースがチームとして日本・ロサンゼルス間を移動する場合にサポートということなのでしょうね。
ドジャースのチームカラーは「ドジャーブルー」と言われる青、ANAのカラーも青ですから、そういう意味ではANAとドジャースは親和性がありますね。
そこで気になったのが最近出た以下の報道です。
2025年MLB開幕戦は日本にて実施
先日のニュースにて、2025年MLB開幕線が日本にて実施との報道がありました。
皆さんもご覧になったと思いますが、今年は韓国・ソウルにて「ロサンゼルス・ドジャース vs サンディエゴ・パドレス」が行われました。
韓国開幕戦にあたりドジャースが利用した航空会社は、アトラス航空になります。
アトラス航空は貨物便をメインとする航空会社ですが、旅客チャーター便事業も展開しており、今回の韓国遠征ではアトラス航空のボーイング747−400型(通称;ジャンボジェット)が利用されました。
ドジャースが利用した機体は、上記の「N322SG」という登録番号の機体ですが、この機体は実は以前ANAが運行していた機体になります。上記画像の赤枠のところに「Boeing747−481」と書かれていますが、最後の2桁はエアラインコード(納入した航空会社を示している)であり、”81″はANAになります。
現在は、VIP仕様のシートアレンジになっており、以下のような座席配置になっています。
もう少し詳しくみたい方はこちらをご覧下さい。
→ https://www.atlasair.com/wp-content/uploads/2023/06/AA_OneSheet_063023.pdf
果たして大谷夫妻が座っていた座席はどこなのか?
さて、少し話はずれましたが、いよいよ来年は日本開催ということで、チケット争奪戦が激しくなりそうですね。
その2025年開幕戦カードですが、アメリカ国内では「ロサンゼルス・ドジャース vs シカゴ・カブス」にて内定との報道が出ています。
確かに日本で実施となると、大谷翔平選手・山本由伸投手のいるドジャース、鈴木誠也選手・今永昇太投手のいるカブスが来日して対戦したら、それは盛り上がりますよね。
ぜひ、その対戦カードで実現して欲しいものです。
そうしたら私もチケット争奪戦にもちろん参戦します笑
そうなると必然的に、日本・アメリカ間のチーム移動が発生しますよね。
そうなればANAとドジャースとの「オフィシャルジャパニーズエアラインパートナー」により、ANAがチャーター便を出して日米間の移動をサポートすることになるのでしょう。
ANAとすれば、ある程度そのあたりを見越した上で、この契約をしたのでしょうね。
大谷翔平選手は、個人としてJALとサポート契約を締結
大谷翔平選手は、2018年にメジャーリーグに挑戦するにあたり、JALとサポート契約を結んでいます。
この契約に基づいて、シーズンオフなどの日米間の移動などはJAL便を利用して移動しているのですね。
2023年1月には、「Good bye Japan🇯🇵」とInstagramに投稿しており、その中ではJALファーストクラスの機内食の写真が載せられていました。
今後も、シーズンオフなど個人として日米間の移動はJALを利用、遠征などチームとして日米間の移動はANAということになるんでしょうね。
ドジャースと航空会社との関係はどうなの?
米国内遠征時はチャーター機としてユナイテッド航空を利用
MLBは、年間162試合ありますが、半分の81試合はホームでの試合、残りの81試合はロード(相手チームの地元)での試合となります。
そのため、半分は遠征ということになり、その移動に関しては、原則として飛行機の移動になります。そして利用する飛行機は、定期便ではなく、飛行機1機を丸ごと借りるチャーター機という形態になります。
アメリカ国内の場合は、国土が広く、時差もあることから、チャーター機として移動することにより、出発時間・到着時間、出発空港・到着空港を柔軟に設定することができます。
MLBの各球団は、それぞれ航空会社とチャーター機の契約を結び、移動を行っています。
ドジャースの場合、ユナイテッド航空を利用していますね。ドジャースのインスタグラムにてチャーター機での移動の様子が投稿され、大谷選手の後ろにユナイテッド航空の機体が写っていました。
アジアでの最初のエアラインパートナーはスターラックス航空
実はANAとの契約は、アジアでは2番目の契約であり、最初の契約は台湾を拠点とするスターラックス航空になり、2023年から契約がスタートしています。
こちらの契約は実際の移動がどうこうということではなく、単純にマーケティングのための契約であり、各種プロモーションをメインとしたものですね。
こちらにスターラックス航空のプレスリリースへのリンクを掲載しますので、興味のある方はご覧下さい。
ANAの広告はドジャースタジアムのフィールド内外にも!
今回のANAとドジャースの契約には、日米間の移動以外にもマーケティングに関する契約も含まれているようで、実際にドジャースタジアムのフィールド内には何箇所かANAの広告が出ています。
こちらの画像は、日本時間4月4日のドジャースvsサンフランシスコ・ジャイアンツ戦の画像になります。大谷選手の今シーズンの第1号ホームランが出た試合になります。
ホームベース後ろのテレビでは一番映る場所にもしっかりとANAの広告が出ています。
こちらは同じ広告を別角度から見た様子
こちらはレフトポール脇の広告です。
他にも何箇所か広告が出ているようですので、ドジャースのホームゲームを見る時にはぜひ広告類にも注目してみて下さい。
そしてこちらの画像は、試合後の取材時の様子です。こちらにもちゃんとANAのロゴが映り込んでいますね。
ドジャース観戦ツアーも発売される?
現在、ANAはロサンゼルスに毎日3往復運航しています。
東京発 | 東京着 |
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NH106 羽田発00:30 ロサンゼルス着18:50 (-1) | NH105 ロサンゼルス発01:20 羽田着05:00(+1) |
NH006 成田発17:00 ロサンゼルス着11:00 | NH005 ロサンゼルス発12:45 成田着16:30(+1) |
NH126 羽田発21:05 ロサンゼルス着15:15 | NH125 ロサンゼルス発17:15 羽田着21:00(+1) |
さらに同じスターアライアンスのユナイテッド航空も合わせれば毎日5往復のフライトがあります。
これらの便とロサンゼルスでの宿泊とを組み合わせて、メジャーリーグ観戦ツアーなども発売するかもしれませんね。
もともとANAは「ダイナミックパッケージ」という商品名で、「航空券+ホテル」を組み合わせた商品を販売しているので、それをアレンジし、ドジャースタジアムの観戦チケットを付れば、人気商品が完成することになります。
大谷翔平選手・山本由伸選手の観戦ツアーは、「オフィシャルエアラインパートナーのANAで!」と宣伝すれば良いわけですからね。
ただ、そうなったら、それなりの高い値段になりそうな気がします。。。。
こちらの記事は2018年にドジャー・スタジアムにて大谷翔平選手を観戦した際の記事になります。今後ドジャースタジアムに観戦に行こうと思う方はぜひ参考にしてみて下さい。
ツアーも良いですが、ぜひANAマイルを貯めて、大谷翔平選手を見にドジャースタジアムに行きましょう!
まとめ
今回は、大谷翔平選手の在籍するロサンゼルス・ドジャースを例に、メジャーリーグ球団と航空会社の関係について記事にしてみました。
遠征時の実際の移動という部分での関わり、そして広告等のマーケティング的な関わりの2面がありますね。
ANAの場合は、大谷選手・山本選手の在籍、コーポレートカラーの親和性、2025年日本でのMLB開幕戦といった観点からドジャースと良い契約を結んだのではないかと思います。
一方少し気になるのは、2025年日本での開幕戦の際には、ANAのどの機材を使って移動するのか?ということです。この点はまた別の機会にしたいと思います。