旅行会社のパック旅行が大きく変わる可能性大
5月30日のヤフーニュースに以下のような記事が出ていました。ANAとJALが2020年春から旅行会社向けの航空券の料金体系をダイナミックプライシング(変動料金制)に移行するとのこと。
「ふーん」と呼び飛ばしてしまいそうですが、もしかしたら旅行好きの方にとっては大きな影響が出るかもしれません。
ANAとJALが来春から変動料金制導入、旅行会社向けに
航空大手2社が2020年春をめどに、旅行会社向け割り引き航空券を、予測残席数に応じたダイナミックプライシング(変動料金制)に移行する方針を固めた。旅行各社はこれを受けて、商品造成や販売手法の刷新に迫られている。募集型企画旅行などが“時価”となり、価格入りパンフレットを作成しづらくなる。従来の店舗やパンフレットを通じて旅行商品を販売する、旅行会社のビジネスモデルは大きな転機を迎えている。
変動料金制に移行する航空券は、旅行会社の旅行商品や団体旅行向けに販売する包括運賃(IT運賃)と呼ばれる割引運賃。正式決定前ではあるが、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の両社はそれぞれ旅行会社に方針を伝えた。
従来のIT運賃は航空会社が季節や曜日などの需要予測を元に数カ月先の価格を提示。旅行会社は自らの商品に組み入れて、ツアーの価格を決めていた。航空2社は個人向け航空券で予測残席数に連動した運賃を拡大しており、収入(レベニュー)最大化を狙い、IT運賃も対象とする。
変動料金制が普及すると、ウェブ経由で航空券と宿泊、着地型観光を自由に選んで組み立てる商品「ダイナミックパッケージ」が主流になると見られる。だが、旅行大手各社は対応に出遅れている。
航空2社の方針を受けて、JTBは「ダイナミック化を進める」(高橋広行社長)として18年度に開発中だった仕入れ・販売の基幹システム刷新を中止。航空券だけでなく、ホテルや鉄道などへの変動料金制拡大に備え、リアルタイムの仕入れ機能を持った新システムの開発に着手した。
日本旅行は「大規模な(システム)投資をして、店舗が(変動料金制に)対応するようにしていかなければならない」(堀坂明弘社長)と投入を準備。KNT―CTホールディングス(HD)も「ITシステムの抜本的改革に取り組み、早期にダイナミックパッケージに参入する」(丸山隆司社長)としている。
参考
ANAとJALが来春から変動料金制導入、旅行会社向けにheadlines.yahoo.co.jp
旅行のプランニングはどうしていますか?
皆さん、国内・海外を含め、旅行に行く時はどのようにプランニングしていますか?
大きく分けるとすると、
- 旅行会社手配
- 個人手配
に分けられますね。
今回、この価格体系変更により影響を受けるのは、「旅行会社手配」の部分になります。
旅行会社手配の場合
上記の記事にもあるように、大手旅行会社に対しては、事前に価格を決めた割引航空券(団体包括運賃とも呼ばれる)を販売しています。このある程度価格が決められていた割引航空券が、来春以降は、その時点での需要や空席状況に応じて変動する料金に変わるということです。
例えば、今年の夏に旅行に行こうとすると、旅行会社のパンフレットには出発日によって決められた価格がのっています。出発日カレンダーが料金により色分けされているやつですね。これは予約締切り日までの間であれば価格は変わりません。
しかし価格変動制が導入されると、あるツアーに申し込もうとしても、いつ申し込むかによって価格が大きく変動する可能性が出てきます。一例ですが、「早く申し込むと安く申し込めるが、予約締切り日が近くなり、飛行機の空席が少なくなってくると価格が高騰し、びっくりするようなツアー料金になる可能性がある」ということです。
つまり、実際に申し込む段階にならないと、「一体ツアー料金がいくらになるかわからない」ということになるのです。
そのため、「価格変動性に対応したシステムに変更するために旅行会社は大慌て」というのが上記の記事の趣旨なのです。
日刊工業新聞という業界紙が書いている記事ですから、少し視点が企業よりになっているので、ちょっとわかりにくいですね。
個人手配の場合
一方、これまで個人で手配していた以下の方々は基本的に影響は受けません。
- ネット通販の旅行会社経由での手配
- 航空会社のWeb経由で航空券とホテルなどを手配
- 特典航空券での手配
つまりこれまでも価格変動料金で手配したツアーは当然ながら影響を受けませんので、これまで通り、淡々と旅行の手配を進めれれば良いわけです。
個人手配旅行のすすめ
以前、「てるみくらぶ」という旅行会社が倒産したのを覚えていますでしょうか?
若者を中心にインターネットで集客していましたが、資金繰りに窮し、夜逃げ同然に倒産し、旅に出ていた人も、これから旅行に行く人も多いに困ったということがありました。その後どうなったかはわかりませんでが、支払った旅行代金はほとんど戻ってこないと言われていました。
その時に書いた記事が以下の記事で、個人手配の旅行をおすすめする内容です。
「安く海外旅行に行きたい!」 ツアー旅行ではなく個人手配旅行をおすすめする3つの理由!
要約するならば、
- マイルを貯めて特典航空券で旅行に行こう
- 日程も行き先も自分で自由にアレンジ可能
- 急な予定変更も柔軟に対応可能
- ホテルは高級ホテルの上級会員制度を最大限活用
というものです。
マイルと高級ホテルの上級会員制度を最大限活用すれば、超豪華な旅も格安で行くことができます。
ちなみに2019年3月にANAマイルを利用してファーストクラスで世界1周してきましたが、航空券はマイルで確保、ホテルもポイントで無料宿泊でしたので、現地交通費と食費だけで行ってくることができました。その時の様子はこちらからご覧下さい。
ANAマイルでファーストクラス世界1周!スターアライアンス特典航空券を徹底活用!
もちろん、海外旅行だけではなく、国内旅行でも、家族での実家の帰省でも利用できる方法になります。
マイルをこれから貯めてみようと思う方は、是非こちらの記事をご覧いただき、マイル活動をスタートしてみてはいかがでしょうか?
ANA・JALの価格体系変更により個人手配旅行に恩恵があるかも?
特に国際線の航空券に関しては、これまでは旅行会社向けに枠が割り当てられ、もし売れ残った場合は、出発1ヶ月ほど前に航空会社に戻されると言われていました。
こんな経験はないでしょうか?
「国際線航空券を確保して座席指定しようと思ったら、ある一定のブロックが押さえられていて指定できない」なんということです。
それが1ヶ月ほど前からは急に座席指定できる範囲が増えるという現象が起きるようです。
特典航空券でファーストクラス・ビジネスクラスを利用する場合にはあまり影響がないかもしれませんが、エコノミークラスで特典航空券を利用する場合には、もしかしたら多少恩恵があるかもしれません。
これまでドンと旅行会社に割り当てられていた座席分が他の座席と同様に徐々に埋まっていくことになります。人気路線だと特典航空券の予約開始日に特典航空券枠が埋まってしまい、その後はなかなか開放されませんが、需要に対応する形だと、時期や路線によっては、特典航空券枠が徐々に開放されていくことがあるかもしれません。
また座席指定も早い段階から選べる範囲が大きくなるかもしれませんね。
さらにマイラーに追い風も
5月29日のANA平子社長の会見の中で以下のような発言がありました。
今後の国際財務報告基準(IFRS)への移行を見据えて、マイレージポイントの償還を進めるにあたり、A380型機を導入した同路線を「好例にしたい」と語った。「航空会社にとってマイルは“負債”で、IFRSではその負債が全額認識される。また、ホノルル線の搭乗率は90%なので、これまではマイルでハワイに行くことが難しかったが、行けるお客様は格段に増える。会計上の観点からも、お客様にとっても良いこと」という。
つまり会計制度を国際会計基準(IFRS)に移行していく際、我々が貯めているマイルは全て負債として計上しなければならなくなります。航空会社(ANA)側からすれば、少しでも負債を少なくするためには、貯めたマイルをどんどん使ってもらう必要があります。
ホノルル線に導入したエアバスA380では、期間限定で「エコノミークラスに空席がある限り特典航空券で座席確保可能」としています。おそらく今後も空席がある場合には従来の特典航空券の開放枠にとらわれずに特典航空券が取りやすくなると思われます。
その次の段階では、他の路線にも拡大し、需給のバランスが空席状況に応じて特典航空券向けに席を開放していくのではないかと予想されます。
そうなるとこれまで「ANAのマイルは貯めやすいが、席は取りにくい」と言われていた状況は解消してくると思われます。
今がマイルを貯め始まるチャンス!
ここまでご紹介したように格安で豪華な旅をするためにも「マイル」は大きな武器となります。将来を見据えれば、マイルを貯めることは貯蓄をすることと同じです。でも貯金と違い、お金を使わずにもこれまでの生活をちょっと変えるだけでマイルを貯めることができます。
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